ウイルス感染症と戦う免疫システムとワクチンが必要な理由
感染症とは、細菌、真菌、ウイルスなどの病原体が体内に侵入、定着して発症する病気のことです。
【感染症の例】
コレラ・結核 | 細菌 |
水虫 | 真菌 |
インフルエンザ・麻疹 | ウイルス |
「免疫」または「免疫系」とは、病原体を排除する防御システムのことです。
免疫は 『自然免疫 → 獲得免疫 → 免疫記憶』という過程で進んでいきます。
【免疫システムが分かる動画】
免疫の三段階について
自然免疫とは
病原体が侵入してくると単球から分化したマクロファージが危険信号を発することで、好中球等の細胞が集まり、病原体を攻撃します。
「自然免疫」とは体温を上昇させ、感染が起こっている部分の腫れを引き起こして病原体を排除する反応のことで、どんな病原体に対してでもある程度起こるものです。
獲得免疫とは
「獲得免疫」とは、侵入してきた病原体を認識し、自分の身体でない敵とみなし排除する仕組みです。
自然免疫でカバー仕切れなかった小さな病原体や体に入り込んだ病原体などに対し、目的の病原体に特化した攻撃をするための準備として、「獲得免疫」の活性化が起こります。
マクロファージと同じく単球から分化した樹状細胞が、病原体を取り込み分解し、たんぱく質(抗原)の情報を周りに伝えます。
それを受けて「リンパ球」が増殖、活性化し、感染してしまった細胞を攻撃したり、抗原に結合して抗体を作ったり、様々な役割をもつ細胞へと成熟します。
免疫記憶とは
免疫記憶とは、リンパ球の一部が、免疫反応が終わった後も生き残り、次に同じ抗原に会った時に、素早く活性化できるよう備える仕組みです。
ワクチンとアレルギーの関係
ワクチンは、免疫記憶の仕組みを利用します。
つまりワクチンとは、病原体を弱めたものを体内に注射し、免疫の反応をあらかじめ起こすことで感染症の発症や重症化を防ぐものです。
アレルギーが起こる理由
免疫系を理解することで医学が進歩してきましたが、一方で害をもたらすこともあります。
たとえば花粉症などのアレルギーは、免疫反応が過剰になることでもたらされます。